令和7年公営企業会計決算特別委員会 2025年10月17日

【朝倉浩一委員】
 令和6年度愛知県公営企業会計決算付属書の173ページ(1)総括事項に、施設の改築工事や耐震化工事の実施について記載があるが、2025年1月に、先ほども話に出た、埼玉県八潮市で発生した流域下水道の幹線管渠の破損事故では、12市町の120万人に下水道の使用自粛が要請され、住民の生活に大きな影響があったことが報道されていたことは覚えている。
 私の地元である半田市の下水は、ほとんど衣浦西部の流域下水道で処理されている。下水道、特に規模の大きな流域下水道の処理場の機能の停止はあってはならないし、適切に改築更新を進めていかなければならないとよく理解できたと思っている。
 そこで、老朽化した処理場施設の改築更新をどのような方針で進めていくのか伺う。

【指導管理室長】
 下水道施設は、年間を通じて、昼夜を問わず稼働し続ける必要があり、健全性を保ちながら設備の異常や故障を未然に防ぐために、予防保全型の維持管理が重要と考えている。
 このため、本県においては、11の流域下水道において、施設の重要度や点検結果を基に、修繕や改築更新の時期を定めたストックマネジメント計画を2016年度に策定し、日常点検や計画的な定期点検等の結果を反映し、これまで随時、見直しを行っている。
 このストックマネジメント計画では、施設の改築更新については、機械設備の耐用年数や設備の稼働年数などを基に、最新の点検結果を踏まえ、部分的な修繕で対応できないと想定された場合、実施する。  改築更新に当たっては、施設の長寿命化と更新費用の平準化を見据えて計画的に実施していく。
 今後もストックマネジメント計画に基づき、修繕や改築更新工事を進めることで、老朽化による故障や機能の停止など、重大なトラブルの発生を防止していく。

【朝倉浩一委員】
 2024年1月に発生した石川県の能登半島地震での被災地についての報道も、下水道が十分に使えないことがかなり報道されており、記憶に新しいものと思う。地震発生時においても下水道が使えなければならないことがよく分かったが、処理場施設の耐震化は、どのような方針で進めていくのか伺う。

【指導管理室長】
 本県では、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、国の設計基準などが見直しされたことを受けて、優先度の高い施設から地震対策を進めてきた。
 地震の発生時、まずは汚水を原因とする伝染病の蔓延を防ぐため、流れてきた汚水を消毒して放流する機能が処理場に求められる。このため、機能の確保に必要となる消毒施設など38施設の耐震化を優先的に行い、既に完了している。
 次の段階として、放流する水質を平常時と同等にできるよう、水の汚れを取り除く機能などをさらに高める地震対策に着手し、これまでに74施設のうち、30施設の対策を実施した。
 引き続き、2025年3月に策定されたあいち防災アクションプランでは、25施設の対策を位置づけており、今年度末には新たに4施設の対策が完了する予定である。
 また、2018年の北海道胆振東部地震において大規模な停電が発生したことを受け、商用電源が喪失した際でも、処理場を継続して運転できるようにするための非常用電源の確保も進めており、今年度中に全11処理場において対応が完了する予定である。
 今後も地震発生時でも処理機能が維持されるよう、処理場施設の耐震化を計画的に推進していく。

【朝倉浩一委員】
 続いて、経営指標に関する事業について伺う。
 本県には、半田市が接続している衣浦西部流域下水道をはじめとする11の流域下水道がある。下水道事業においては、人口減少等に伴うサービス需要の減少や、施設の老朽化に伴う更新需要の増大など、下水道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増す中にあって、将来にわたり、住民生活に必要なサービスを安定的に提供するため、財政マネジメントの向上に取り組んでいく必要が高まっている。
 それらの要請から、経営成績や財政状態をより明確に把握するため、平成31年度から流域下水道事業会計に地方公営企業法の財務規定を適用している。
 そこで、本県の流域下水道事業の経営について伺う。
 令和6年度愛知県公営企業会計決算付属書175ページに経営指標の推移が示されており、過去5年間の経営収支比率の記載があるが、おおむね100パーセントとなっている。こうした経営収支比率となっている要因はどのようなものか伺う。
 また、今後の経営の見込みはどうか伺う。

【上下水道課担当課長(業務・財務)】
 流域下水道事業会計の主な経常費用と経常収益は、流域下水道施設の維持管理費に要する経費と、その経費に充てるために市町からもらう維持管理負担金であるため、これらの変動が経常収支比率の変動の主要な要因となる。
 流域下水道事業では、11の流域ごとに3年間の単位で、見込み水量と、その処理費用を算定した収支計画を策定している。その収支計画により、3年間で収支が均衡するよう、維持管理費負担金の水量当たりの単価を定めている。各年度の支出においては、経費節減に努めており、その結果として生じた収支差額である剰余金は、原則として市町に収支計画の終了後に返還する。
 なお、市町との協議により、電気代高騰などの不測の事態へ速やかに対応するため、剰余金の一部を返還せずに留保する場合がある。こうしたことから、基本的には3年単位で各流域の収支は均衡し、経常収支比率は、おおむね100パーセント前後となっている。
 また、今後の経営の見込みについて、過去5年間の経常収支比率のうち、令和4年度のみが100パーセントを切っている。これは、年度途中での急激な電気代高騰による費用の増加により赤字となったものである。流域下水道事業会計の経営に当たっては、物価の状況を踏まえた維持管理費負担金単価を設定しており、年度途中で不測の事態が生じなければ、これまでと同様に経常収支比率は安定するものと考えている。
 今後も市町との連携を密にして、見込み水量を把握し、適正な処理費用を見込んだ維持管理費負担金単価を設定していくことで、経営の健全性を確保できるよう努めていく。

令和7年目次へ